数千枚の波の果て

Since 2026.7.14

思い出

  • 生活雑貨は楽しい

    財政難であれど、本と漫画、レコードがあれば暮らし向きはよいと考えている。そのほかで今のところ嗜好品として欲しいのはNintendo Switch2くらい。実は台所の棚の中の包丁収納も新調したいけど、こういうのは生活雑貨や必需品と呼ぶ。

    嗜好品と生活雑貨の違いといえば、使っている(使った後の)場面が思い浮かぶかどうかだと思う。嗜好品である本の内容についてワクワクしても、本を読んでいる自分を想像してワクワクしないだろう。場面にワクワクするのが生活雑貨。

    生活雑貨を眺めて想像するのはとにかく楽しい。「こんな道具があるのか!」と新しい道具を見つけて、自身の生活における活用方法を見出す。「どんなときに使うんだ?」と疑問に思い、想像してみる。それだけで楽しい。「こっちの方が今持っているものより使いやすいかも」と、よりよい方向へ生活を導いてくれる。

    とにかく種類は問わず、「何かと楽しい生活への導き」。
    生活雑貨はかくあるべし。

    自分が今いる生活をよくよく想像してみることにも繋がる。「自分の周りの環境含めて自分だ」、とかそんな青臭いことにも気付く。

    万が一気付かないままに生活雑貨を買うものならば。

    思い出すのは13年前の真冬。大雪が降って特に寒い冬だった。その日は夕飯の支度をしていて、ご飯を炊く必要があった。ただ当時住んでた家の水道が外気の影響を強く受けるようで、あまりに寒いと蛇口から出る水も猛烈に冷たくなる。米を研ごうならば指が千切れんばかりの痛みが走り、しばらく温めないと痺れて包丁が握れないくらいだった。

    「やだなあ、お米研ぎたくないなあ」と野菜を切って、嫌なことを先延ばしにしていたところ、材料が足りないことに気付いた。当時住んでいた家の裏手にローソンストア100があったので、向かって野菜を手に取り、ついでにグルっと店を一回りしていたら見つけてしまったのだ。米研ぎ器を。

    米研ぎ器といっても、先っぽが十字になったプラスチックの棒で、持ち手のところが研いだ後の水を流せるように網状になっていた。「これさえあれば冷たい水に1ミリも触れずに米が研げる!」

    思わずカゴに勢いよく放り入れ、意気揚々と帰って米研ぎ器でシャカシャカ研いで、フンフンと機嫌よく夕食を作れた。

    この米研ぎ器を買ったのはもう13年前のことだが、今だに家族に

    「ふざけるな、手で研げ!手で!」「日和ってんのか!」

    「真面目にやれ!」「無駄遣いだ!」

    など、存在が取り沙汰されるたびに面罵される。無駄遣いっていっても、108円だぞ?(当時は雑貨の消費税も8%でした)

    ちなみにこの間も「納豆鉢」をつい手に取ってしまった。納豆をかき混ぜる用の器らしいのだけど、ここまで用途が限定されているものが家にあったら面白いなあと思ったんだけど、絶対に怒られるから、そういう場面が想像できたから買わずじまい。

    ついつい欲しがっちゃう。生活雑貨なんだけど、嗜好品みたいなもの。