数千枚の波の果て

Since 2026.7.14

花のれん/山崎豊子

今年に入って『不毛地帯』を読んでめちゃ面白かったので『花のれん』を読んでみた。明治の大阪、呉服屋を営む夫婦がいる。道楽と芸事が好きな旦那と、御寮人さんが最初は呉服屋を営んているが、そのうちに寄席を始め、御寮人さんがどんどん寄席を広げていくというお話。

元になっているのは吉本興業の創業者の吉本せつ。吉本興業の創業の歴史・史実通りに描かれたというより、御寮人さんという主人公を軸にした働く女性の生き方を描いた作品であったように思う。

大阪の地理に明るくないからそれぞれの町の位置関係がどうなっているのかが気になってしょうがなかった。実際の地名が使われている作品だと、東京以外はなかなか厳しい。

不毛地帯を読んだからか、花のれんは急ぎ足に感じてしまった。一人の女性の半生を描いているのにちょっとしたエピソードのあとですぐに何年か経っていくから、歳を取るのがあまりに早いかなと。作品自体の長さと作品内の時間はある程度一致していないと違和感が出るということなのか。ダイジェスト版読んでいるようで肩透かしな感じだった。